シンプルな紬

ある時、着付けの先輩(50代)から「もう着ないから~」と頂いた着物。「紬」と仰っていました。

*実際に、お仕立てされバリバリ着用されていた世代はどの世代か?というひとつの参考として(○代)と載せておきます

「あなたなら何かに使うと思って…好きにしていいから」と!
「シンプルな着物をどうコーディネートするのか?」をあれこれ考える事が好きな私は、ありがたく頂戴しました!

頂いた時はまだ袷の時期ではなかったので、しばし我慢。。
着物を眺めてわくわくしていました。

紬(つむぎ)といったら、結城紬・牛首紬・大島紬…有名どころが浮かびます。
産地によってこのように名前が分かれていますが、「紬」とは紬糸を使って織られた絹の織物の事を指します。先輩から詳しい説明はなかったのでこの着物の産地等、詳細は残念ながら分かりませんが…

私は、数年前、地元の伝統工芸館で開催された「大島紬」の展示会に行ったことがあります。
「実際に本場の大島紬を着て街を散策し、会場に戻ってくる」というデモストレーションに着物モデルで参加し、私はそこで初めて紬を着ました。


*当時のパンフレット

歩いた時の「シュッ、シュッ」という絹擦りの音、パキッとして、体の線に沿わない立体的な感覚。
(柔らかい着物は体の線に沿うようにフィットしますが、その逆)
そして思ったより軽い!「これが紬か~」

当時、一緒に着付けを習っていた友達と参加し、二人で散策したのですが、地元の百貨店にも足を延ばし、気分は「着物通」(笑)でしたね。多分ドヤ顔で歩いていたと思います(笑)

紬は普段着の立ち位置です。ですが、「紬の振袖」を生で拝見したことがあります。
聞くと、持ち主の方の地元が紬の産地で、地元を誇りに思い、振袖を作ったと仰っていました!素敵ですよね!!

さて、話を戻します。

いざ、袷の時期になり、「どのタイミングで着ようかな?」と思っていましたが、今年の着付けのお稽古始めで着ることにしました。
背格好があまり変わらない方なので、羽織ってみるとサイズも大丈夫!
リサイクル品ばかり購入していると短い丈に慣れてしまい、おはしょりが少ししか出なかったり、全く出なかったりも日常茶飯事ですが、こちらの着物はしっかりおはしょりも出ました(裄も、あと1、2センチあると本当にジャストサイズでしたね!)

今回はお稽古なので、盛らず遊ばず真面目に…
半襟は白、帯は名古屋帯にしてお太鼓にしよう!

私は髪の毛が黒いですし、この日はヘアアレンジもなし。

髪はまとめず、おろしたままでしたので、帯が軽い色だと全体的にしまりがないかなぁ?などとぼんやり考えながら帯たちを眺めてみました。青系、茶系も考えました。
着物がすっきりシンプルなので、パキッと黒をセレクトしたものの「黒は黒でもどれにしよう?」
黒地の名古屋帯はいくつか持っているのですが…

レトロな刺繍帯→「うーん…アンバランス?」
ピンクの柄→「うーん…可愛いのはちょっと気分じゃない…」
もっと「キチンと」といいますか、大人っぽくしたい…ということで、こちらの帯に。

着物自体が寒色系(ややグレー)なので、水色が配色されているこの帯ですと、自分の中でもしっくりきました。

こちらの帯も数年前に着付けの先輩(60代)から頂いたものです。

頂いた当時は、この帯に合う着物が無く、申し訳ないことに今まで眠らせていました。
ですが、こうやって日の目をみるタイミングってあるのですねー。先輩方のセンスを、実物を以て受け継がせて頂いております。ありがたいことです。

帯には他にも黄色が入っているので帯揚げ帯締めは黄色系統で統一。

最後に真面目にと言いつつも私らしく(?)、カラコンも黄色に揃えて装着!

普段は黒ぶちメガネですが、着物のコーディネートやヘアスタイルによってはノーマルのコンタクトやカラーコンタクトも併用しています。(ちなみに、普段はメガネなのでコンタクトはワンデー)
そうすると、普段とイメージが変わって、さらに楽しいのですよ!

これで着付けのお稽古、準備完了です!

この着物のように、見た目の主張が少ないものは、合わせる帯によって可愛くもかっこよくもなり、また、年齢に合わせた帯ももちろん合いますし、変化が自由な着物ですよね!次のコーディネートを考えるのが楽しみです!